トークセッションとワークショップがセットとなった新しい切り口のシリーズ企画

レポート「糸紡ぎから広がる世界」

レポート「糸紡ぎから広がる世界」

 

日 時2018年5月19日(土)11:00〜17:00 ※映画『YARN 人生を彩る糸』上映15:00-16:15 
開催地岡山県立大学(総社市窪木111)
講 師青島由佳(Kakara Woolworks 主宰)、難波久美子(岡山県立大学デザイン学部造形デザイン学科 教授)
概 要http://o-bunren.jp/post-127-2/

2017年から開催してきた芸術交流実験室。5月に開催した第7回の様子をレポートでお届けします。

この日の会場は、総社市にある岡山県立大学の講義室。デザイン学部教授でもある作家の難波さんと、倉敷を拠点に活動する青島さんによるレクチャー、糸紡ぎ体験ワークショップ、大学の設備見学、映画上映と盛りだくさんの内容でした。

レクチャーはお2人の活動や、糸やその素材となる羊毛、紡ぎに関する基礎的な知識を織り交ぜながら進行。生活の近くにあるテキスタイルという表現、羊毛や糸車への愛情や思いが溢れる自己紹介にはじまり、そもそも糸の原料にはどのようなものがあるのか、天然繊維である羊毛にはどのような特徴があるのか、布になるまでの過程やストーリー、大学ではどのようなことが教えられているのかなど。写真はもちろん、様々な道具の実物を見たり、刈り取ったままの羊毛を触ってみたりしながら理解を深めました。

羊毛は虫には弱いですが、防水性、保湿/保温性、難燃性、防音性などの点で化学繊維よりも優れた点があるそうです。羊毛繊維を紡ぐ前には、毛を刈り、ゴミを取り、洗い、ほぐすなどの様々な準備が必要で、紡ぐ工程にも手がかかります。だからこそ、手しごとの楽しさ、豊かさとゆっくり向き合うことができると言います。生活との関わり方の例としては、アメリカ南西部にある工房Tierra Wool(ティエラ ウール)の様子、手紡ぎのプログラムが心を休めるホスピスに導入されている事例なども紹介されました。

ランチの後は、いよいよ手紡ぎの実験。色とりどりの羊毛ファイバー、様々な形のスピンドルから好きなものを選び、簡単なレクチャーと実演映像を参考に、それぞれのスタイルで紡いでいきます。声をかけあったり、難しいところは県立大学の学生さんの力もかりながら、楽しく体験する時間となりました。

途中、息抜きがてらデザイン学部ギャラリーや、織・染・シルクスクリーンなどのテキスタイル工房設備見学ツアーも実施。ものづくりがしっかり学べる環境に、参加者は興味深々でした。

そして最後には映画『YARN 人生を彩る糸』の上映。羊毛や糸紡ぎの道具に囲まれる中、創造的なアーティストの表現にふれる時間はまたとない時間となりました。

素材や道具を紹介する青島由佳さん

ワークショップ中の受講生と難波久美子さん

スピンドルで糸紡ぎ

参加者がワークショップで紡いだ、色とりどりの糸

岡山県立大学デザイン学部学内設備を見学

 

10月以降の回の参加申し込みを受付中です。ぜひご参加ください!

文化芸術交流実験室 

テキスト:橋本誠