レポート「画材から見る日本の絵画」

レポート「画材から見る日本の絵画」

 

日 時2018年4月28日(土)11:00〜16:00
開催地岡山県立美術館(岡山市北区天神町8-48)
講 師森山知己(日本画家、倉敷芸術科学大学 教授)、降旗千賀子(目黒区美術館 学芸員)、岡本裕子(岡山県立美術館 主任学芸員)
概 要https://o-bunren.jp/labo06/

2017年11月から開催してきた文化芸術交流実験室。2018年度も継続していきます。岡山県立美術館で開催した、第6回の様子をレポートでお届けします。

今回は、岡山県立美術館開館30周年記念展「県美コネクション」と連携し関連イベントとして開催。まずは目黒区美術館の降旗さんより、教育ツールの制作を通して絵画の色と原料の関係に興味を深めた背景や、2016年に企画した展覧会で取り上げた江戸時代の国絵図や浮世絵の例が紹介されました。国絵図は岡山大学に所蔵されているものあったとのこと。美術作品というよりは、当時の地勢を記録したもので主に歴史分野で研究されてきたものですが、河川や道など様々な要素を表現するために豊かな色彩が使われており、それぞれにどのような原料が用いられているのかも合わせて研究したそうです。

お昼の後は、土から制作された絵の具を使ったワークショップです。まずは、森山さんの元教え子で、岡山大学大学院で研究活動などを行う尾上真由さんからのミニレクチャー。既成の画材ではなく、求める絵肌を探して絵の具を作るようになったきっかけに始まり、大学や自宅など、岡山の各地で採集した土がどのような工程を経て絵の具になるのか。写真や映像を交えて詳しく説明が行われました。

森山さんからも、この回のタイトル「画材から見る日本の絵画」に込めた思いや、用意した筆や紙などの画材の特徴や使い方についての説明が加えられ、各々にそれらを試しながら制作をする時間が設けられられました。

制作後、乾燥を待つ間には「県美コネクション」の展示を見学する時間も設けられ、絵画と画材の関係について、多角的に知ることのできる1日となりました。

降旗千賀子さんによるレクチャー

尾上真由さんによる、絵の具のつくり方の紹介

森山知己さんによる、画材の紹介

 

10月以降の回の参加申し込みを受付中です(以降も近日公開予定)。ぜひご参加ください!

文化芸術交流実験室 

テキスト:橋本誠