レポート「建築探偵団 其の六『津山の建築を写真で切り取る』」

レポート「建築探偵団 其の六『津山の建築を写真で切り取る』」

日 時2022年11月9日(水)11:00〜16:00
開催地:津山市城西地区周辺
講 師:石田尚昭(建築家)、江見正暢(江見写真館 代表取締役)
概 要https://o-bunren.jp/labo40

実験室の人気シリーズとして定着した「建築探偵団」。十数名の参加者が集まった第6弾は、津山市の歴史ある建築物や街の魅力を、写真とフィールドワークで探っていきます。

最初に訪れたのは、創業150年の歴史を持つ「江見写真館」。ここでは大正末期から昭和初期までに撮影された写真資料を、5代目館主・江見正暢さんの解説とともに鑑賞しました。同館が所蔵する写真には、感光材を塗布したガラス板に被写体を写す「ガラス乾板」や、フィルムの状態で保存されたものがそれぞれ8000カットほどあり、貴重な歴史資料としてデジタルデータ化が進められています。

当時の津山の風景や建物、結婚式や人物写真などが次々とスクリーンに映し出され、ガラス乾板の解像度の高さには参加者も驚くばかり。江見さんが撮影当時の街の様相や人々の生活・文化について説明を加えると、参加者は興味深く耳を傾けました。また、国の登録有形文化財に指定されている建物も魅力の一つで、鑑賞後はスタジオや応接室などを見学しました。

午後は商家や寺社の集まる「城西伝統的建造物群保存地区」に移動。明治時代に銀行として建てられた「作州民芸館」で昼食を取った後は、旧出雲街道や裏路地にある伝統的な建物を巡りました。今回のポイントは、気になった建物や意匠を写真に収めること。講師の石田さんが建築の構造や時代背景を分かりやすく解説すると、参加者も足を止めて建物の特徴を写真で切り取っていきました。一同は妙法寺や愛染寺の鐘楼門、本源寺などに立ち寄り、檜皮葺の屋根や軒桁といった伝統意匠に注目しながら、寺町散策を楽しみました。

今回の目的地の一つ「城西浪漫館(旧中島病院本館)」では、近代建築の重厚な空間でコーヒーブレイク。ここでは幕末の味を再現した「榕菴(ようあん)珈琲」を淹れる様子も見学でき、参加者はノスタルジックなひと時を味わいました。最後は昭和感の残る建物や看板、路地の風景を再確認しながら作州民芸館に戻り、参加者が撮影した建物写真を全員で鑑賞。街で出合った建物を振り返り、街歩きで感じたことを共有しました。

参加者からは「同じ建物でも見る場所が違って面白い」「専門的な解説で建物探訪が楽しめた」といった感想がありました。

江見写真館のスタジオで写真鑑賞

ガラス乾板の特性を解説する江見さん

津山の建築と歴史にも詳しい、講師の石田さん

城西地区を歩きながら伝統的な建物を観察

外観や屋号のロゴに味わいを感じられる建物

大正ロマン漂う城西浪漫館(旧中島病院本館)

城西浪漫館では「榕菴(ようあん)珈琲」を提供

撮った写真を見ながら感じたことを発表

※今回は、新型コロナウイルス感染症の拡大防止対策をした上で開催いたしました。

文化芸術交流実験室 

テキスト:溝口仁美