トークセッションとワークショップがセットとなった新しい切り口のシリーズ企画

レポート「建築探偵団 其の壱『会館』」

レポート「建築探偵団 其の壱『会館』」

日 時2018年8月25日(土)11:00〜16:00 
開催地岡山市民会館(岡山市北区丸の内2-1-1)
講 師石田尚昭(岡山市スポーツ・文化振興財団 常務理事)、弥田俊男(建築家、岡山理科大学工学部建築学科 准教授)
概 要http://o-bunren.jp/post-127-4/

2017年から開催している文化芸術交流実験室。8月に開催した第10回の様子をレポートでお届けします(7月に予定していた「音楽と絵と映像と」は豪雨災害のため1月に延期となっています)。

今回は建築をテーマにしたシリーズ第一弾として、岡山市民会館と、その向かいにある山陽放送会館を取り上げました。いずれも建築家・佐藤武夫の手により同時期(1960年代前半)に建てられたもので、近々新たな場所への機能移転が予定されており、その後の活用方法に注目が集まりつつある建物です。

まずは弥田さんによるレクチャー。アメリカの作家・ジャーナリストであるジェイン・ジェイコブズが、都市的多様性を生成する条件として示した「地区は、年代や状態の異なるさまざまな建物が混ざり合っていなければならない」という言葉。公共建築の活用にあたって注目を集めている「シビックプライド」「アダプティブ・リユース(適応型再利用)」といったキーワード。市民の声がきっかけとなり、2014年に大規模改修した米子市公会堂(村野藤吾設計)、熊本城近くにあり、2007年に大規模改修した熊本市民会館(佐藤武夫設計)などの建物。後半のワークショップのヒントになるような考えや事例などが紹介されました。

続いて、石田さんより建物の紹介。設計を担当した佐藤武夫は、広場・塔・音響を取り入れた建築が得意だったと言われていること。岡山市民会館はホール機能を有し、塔も計画されていて、山陽放送会館のとの間の広場についても意識した設計になっています。他にも、内向きに倒れているように見える錯視効果のある大ホールの外壁、岡山城にちなんだ石垣の使用、ホワイエのレリーフや手斫(はつり)による壁面の表情、モザイクガラスを使用した内装などの特徴が解説されました。

昼食の間には、RSK岡山映像ライブラリーセンターの協力により、山陽放送会館建築時の映像を上映。ほぼ同時期の建設ということで、岡山市民会館の建設についてもイメージがわく内容でした。その後は、石田さんによる岡山市民会館内のツアー。レクチャーで見聞きしたポイントなどをめぐりながら、実際の空間や使われ方、様々な装飾の表情などを確認することができました。

そして最後に、グループに分かれて建物の魅力的な将来の姿を考えてみるワークショップを行いました。弥田さんからは、建物だけではなく、隣接する石山公園や、岡山城へつながる区域についても考えて欲しいというリクエスト。ホールの1階席を外して多目的利用ができるようにする、モザイクガラスのあるホワイエでバーを営業する、起業家のシェアオフィスとして活用する、周辺を回遊できる歩道を整備するなど、グループごとに様々なアイデアが発表されました。

石田尚昭さん(写真左)による岡山市民会館の建築ツアー

モザイクガラスを使用した内装

弥田俊男さん(写真左)によるワークショップ

 

10月以降の回の参加申し込みを受付中です。ぜひご参加ください!

文化芸術交流実験室 

テキスト:橋本誠(ノマドプロダクション)