レポート「ファシリテーション・グラフィックで振り返る、これまでの実験室」

レポート「ファシリテーション・グラフィックで振り返る、これまでの実験室」

日 時2020年3月4日(水)18:00〜20:30
開催地岡山県天神山文化プラザ(岡山市北区天神町8-54)
講 師藤 浩志(美術家、秋田公立美術大学大学院教授)、名畑 恵(NPO法人まちの縁側育くみ隊 代表理事、錦二丁目エリアマネジメント株式会社 代表取締役)
概 要https://o-bunren.jp/labo26/

3年にわたる実験室の振り返りとなる今回。新型コロナウイルスが全国的な拡大の兆しを見せており、会場にはアルコール消毒液が設置されるなど、いつもと少し違う雰囲気の中で始まりました。最初に、岡山県文化連盟の高田から振り返りの手法自体を実験室的にやってみるという趣旨を説明しました。

続いて講師の自己紹介。藤さんは、幼少期から文化活動に触れる機会が多かったそう。30歳を過ぎてからは美術家としての活動の傍、市民合唱団にも所属されていました。プラスチックゴミを持ち寄って市民と一緒に作品を作るなど、長らく「文化未満」の、文化を作っていくようなプロジェクトに携わり、実験室に共通する活動をしてきた経験が語られました。

名畑さんは、あいちトリエンナーレの会場にもなった名古屋市の長者町地区などでまちづくりの支援活動を行なってきました。住民、企業、行政など様々な人と一緒に構想し活動する中で、議論を見える化するファシリテーションが必要だったといいます。話し合いの到達点を確認しながら記述していくと、ゴールに着実に近づくのだとか。今回も語り合われる事を見える化しつつ、ファシリテーションのコツを教えていただきます。

振り返りの前半は、企画・運営チームより橋本が3年間の実績を報告データを用いながら共有。コーディネーターの大月は、そのねらいと手応えについて話しました。文化連盟の活動には、様々な分野の人々が参画し、蓄積が沢山ある一方で、分野をまたいだ交流の機会がないように見えたそうです。そこで横断的なプラットフォームを作り、文化・芸術だけでなく、福祉、教育、建築など入口を沢山用意する事で、互いのコラボレーションを狙いました。一方、藤さんの「文化未満」という言葉にもあるように、今はまだ関わりを持てていない人をどう巻き込むかが今後の課題だと述べました。

一方、高田には、新しい事を生み出さないと、文化連盟として成長ができないという課題意識がありました。これまでに培ったネットワークを生かして新しいことができるのではないか。これまで関わりを持てなかった分野の人とも接点を持つことを狙うなど、地域アーツカウンシルを始めた経緯が共有されました。

参加者の手元には「議論の種シート」が配られ、話を聞きながらきになるポイントを書いていきます。「分野横断というが、どんな分野を選んだのか」「ボツとそうでないものとの線引きを知りたい」など、様々な質問が出ました。

振り返りの後半は、グループに分かれて参加者も議論しました。各グループの発表では、「実験室は、文化の種を探すこと」「実験室はフェスだ!」「岡山の美味しい食べ方」「文化を中心にしない」などの言葉が飛び出します。それらに対して藤さんがコメントし、名畑さんがわかりやすく見える化(促す・聞く・まとめる・伝える)。とても内容の濃い議論となりました。

「文化未満」にも注目する藤さん

「議論の種シート」を手にする名畑さん

「実験室とは〇〇」をディスカッション

振り返りをまとめたグラフィックを名畑さんが制作

 

文化芸術交流実験室 

テキスト:木下志穂