日 時:2018年3月24日(土)11:00〜16:00
開催地:旧遷喬尋常小学校(岡山県真庭市鍋屋17-1)
講 師:姜侖秀(真庭市地域おこし協力隊、株式会社ふの 代表)、関洋平(瀬戸内市立美術館 学芸員)、岡本康治(まちづくり市民応援団 まにワッショイ代表)
概 要:https://o-bunren.jp/post-374/
11月から月1回開催してきた芸術交流実験室。2017年度の最終回を3月24日に行いました。その様子をレポートでお届けします。
この日の会場は、真庭市久世にある旧遷喬尋常小学校。なつかしの学校給食体験や学生服の貸し出しを行っており、ゲストも制服姿で登場しました。
まずはまにワッショイの岡本さんから、その給食体験が始まった経緯や「宴の文化」について。採算が合わずに業者が手を引いてしまった活動ですが、調理にはかつて給食の仕事をしていた女性たち、準備・片付けには同世代の男性を中心に有志で協力をあおいで運営するスタイルとしてリニューアル。参加者は7年目で年間1万人を超え、運営メンバーは合わせて70名にものぼるそうです。ただし、毎回メンバー全てが関わるわけではなく、それぞれのペースを優先。まちづくりの活動だと義務的に抱え込まずに、楽しみながら続けていることで、結果がついてきている。子供もその雰囲気についてきてくれるはずだと、大事にしていることを語ってもらいました。
続いて、真庭市地域おこし協力隊で、株式会社ふの 代表の姜侖秀さん。北房地域の野菜などを生かした地域産品を検討するにあたって、自分の出生地である韓国ゆかりのキムチを思いつきました。広州女子大学の講師、自身の母親などに学ぶ勉強会や、蒜山大根を使ったキムチや、本格的なキムチの素など、商品開発に取り組んできたそうです。韓国では、地域で集まってキムチづくりのコツやそれぞれの家庭の味を分かち合う文化があるそうです。開催した勉強会では、普段は交流が少ない真庭の他の旧町村地域からも参加があるなど、食を通して地域の人々が交流することの価値、商品化だけではなく、多様な活動が生まれる可能性に気づいたそうです。
美術館の学芸員でありながら、食の商品企画の仕事などに携わっていた経験をもつ関洋平さんからは、企画やマーケティングについて。凡人でも100個アイデアを出せば数個はいいものが見つかる。アイデアを選び(分類、セグメント)、磨く(集中、ターゲット)プロセスが大事であること。時間には限りがあるからリミットを決めること。その他にも企画をしていくうえで様々な手がかりになるヒントやプレゼンテーションの技術などを話していたいただきました。
ランチはもちろん、まにワッショイによる給食を体験。午後は2グループに分かれて久世の商店街に繰り出し、食材を探してきて、それを生かした商品企画を考えるワークショップを行いました。
まにワッショイによる給食体験
久世の商店街で食材を探す
本シリーズは2018年度も開催いたします(9月までの予定を公開中)。ぜひご参加ください!
テキスト:橋本誠