日 時:2024年12月14日(土)11:00~16:00
開催地:奉還町ユースセンター(岡山市北区奉還町3-1-32)
講 師:芹沢高志(アートディレクター、翻訳家)
この日は20世紀を代表する思想家のバックミンスター・フラーがテーマ。子どもたちと一緒に講義やワークショップを体験しながら、子どもたちがいろいろな気づきや発見をしていく様子を見て学びを得る、という二重構造の実験室となっています。案内役は、多くのアートプロジェクトでキュレーターやディレクターを務め、フラーの著書を日本語版に翻訳した芹沢高志さん。会場の「奉還町ユースセンター」には、小・中学生から若者世代、教育や芸術分野に関わる方など幅広い世代の参加者が集まりました。
まずは芹沢さんより、フラーの功績や人物像についてお話していただきました。1895年アメリカ生まれ、幼少期から弱視だったというフラーは、独特な視点で物事を捉えていました。幼稚園の授業では、すでに三角形を基本とした立体構造物を作っていたという驚きのエピソードも。建築や数学、物理学など多分野で類まれなる才能を発揮し、自身の導き出した理論の応用技術で、みんなが幸せに生きるための発明に尽力しました。
芹沢さんはフラーが発明したドームの建造物や三輪自動車を紹介し、活動の基軸となった「最小限の資源で最大の効果を得る」という考え方について解説。著書「宇宙船地球号」の題名にも触れながら、地球をひとつの宇宙船に捉えた思想と、今の地球資源や環境問題との関わりについて話しました。芹沢さんは「フラーの考え方や生き方を通して、若い方にも自分が納得できる世界観を見つけてほしい」とまとめました。
後半は昼食を挟んで、フラーが発明した多面体のおもちゃ「ジタバッグ」を使って遊ぶワークショップを行いました。今回使用したジタバッグは、岡山市在住の造形作家、向井宏志さんが製作。まずは材料を組み立てて、曲げながら幾何学的な形の変化を楽しみます。ジタバッグは竹ひごをシリコン製のジョイントでつないだ丈夫な造りで、折り畳む時の心地よい感触がクセになります。子どもたちは積極的に手を動かし、2個を組み合わせたり帽子にしてみたりと自由に発想を広げました。参加者は芹沢さんを交えて、フラーの人物像や発明品についてトークを展開しました。最後は大きな多面体作りに挑戦。時間内の完成は叶わなかったものの、会話が弾む楽しい時間となりました。
参加者からは、「フラーの常に発見を求める動きが、技術の発展や自身の考え方につながり、研究者としてすごいと思った」「今回使ったジタバッグのキットは完成度が高く、新しい発見もあって楽しめた」などの感想をいただきました。

前半は芹沢さんがフラーの思想や生き方を紹介

会場となった奉還町ユースセンター
ジタバッグの説明をする芹沢さん

昼食はピザや唐揚げなど豪華なメニュー
自分で組み立てられるジタバッグ
ジョイントを動かす感触が楽しい!
子どもたちもさまざまな形に挑戦
頭を悩ませつつ、大きな多面体作りに挑戦
テキスト:溝口仁美

