レポート「建築探偵団 其の七『門前町・金光』」

レポート「建築探偵団 其の七『門前町・金光』」

日 時:2024年10月26日(土)13:00~16:00
開催地:浅口市金光町大谷周辺
講 師:石田尚昭(建築・地域文化資源活性化研究会  代表)
              西 規雄(大谷地区元気いっぱいまちづくり協議会)
概 要https://o-bunren.jp/labo47/

秋の爽やかな気候に恵まれた7回目の建築探偵団。今回は十数名の参加者が、金光教本部の研修施設「光風館」に集まりました。まずは講師の石田さんと、大谷地区のまち歩きガイドを務める西さんから、金光町の歴史や特徴について説明を受けました。

その後は金光教本部の境内に向けて移動を開始。道中では立派な外塀や石垣、金光教の「金」の御紋がかたどられた屋根瓦、商店街のトラス式アーケードなどに注目。少し歩くだけでも、金光教の門前町ならではの個性的なまち並みを感じられます。石田さんの詳しい解説が始まると、参加者も独特の意匠に目を向けながら、町の風景や建物を写真に収めていました。

一同は境内に入り、神殿となる本部広前会堂を参拝。この日は昭和34年に建立された広前祭場の内部も見学できました。祭場は1万人が着席できる圧巻のスケールで、信仰の場特有の神聖な空気に包まれています。そのほか立教聖場や修徳殿なども巡り、明治・大正・昭和の時代ごとに創られた宗教建築を鑑賞しました。

次は境内を出て山側を歩き、歴代教主を祀る奥城や金光教学院などの関連施設を巡りました。教学研究所の洋館は、江川三郎八の設計により昭和5年に建てられた貴重な近代建築です。一同は塔屋や玄関ポーチといった独特の建築形式を外から鑑賞し、金光教の多彩な建築群にますます興味を膨らませていました。

後半は門前町の中心部へと移動。ノスタルジックなまち並みは映画「とんび」のロケ地になり、古き良き建物が多く残っています。中でも特徴的なのは、かつて参拝客の宿泊場所として使われた木造三階建ての建物。他にも懐かしさ漂う店先や看板、石田さんが注目する八つ棟の木造神殿や金光教徒社といった関連の建物など見どころがたくさん。西さんからは映画撮影時のエピソードも飛び出し、さまざまな要素を楽しめる時間となりました。

石田さんは、まちの魅力を深めるためのキーワードとして名物菓子「金光饅頭」の文化を取り上げました。そこで散策中には金光饅頭を販売する2軒の菓子店に立ち寄り、甘いおやつでブレイクタイム。最後は光風館に戻り、金光饅頭を食べ比べながらまち歩きや建築探訪の感想を述べあいました。参加者からは「建築を通して、新たな視点でまちづくりを考えることができた」「金光町ならではの歴史を知って、想像よりもスケールの大きな体験になった」という感想がありました。

まずは金光教本部の境内へ

講師の西さん(左)と石田さん(右)

境内では修徳殿、立教聖場などの建物を見学

儀式や行事を行うための広前祭場

レトロモダンな佇まいの教学研究所洋館

屋根瓦にも金光教の紋章が象られている

映画「とんび」の撮影も行われたまち並みを散策

この日のおやつはもちろん「金光饅頭」

文化芸術交流実験室 

テキスト:溝口仁美