トークセッションとワークショップがセットとなった新しい切り口のシリーズ企画

レポート「文化を伝えるグラフィックデザイン」

レポート「文化を伝えるグラフィックデザイン」

日 時2018年9月29日(土)11:00〜16:00 
開催地IDEA R LAB、TAMAYA TAMASHIMA(倉敷市玉島中央町3)
講 師黒田武志(アートディレクター、造形作家)、川路あずさ(アートディレクター、デザイナー)
概 要http://o-bunren.jp/post-127-5/

2017年から開催している文化芸術交流実験室。9月に開催した第11回の様子をレポートでお届けします(7月に予定していた「音楽と絵と映像と」は豪雨災害のため1月に延期となっています)。

会場は、新倉敷駅からバスで10分の倉敷中央町にあるIDEA R LABと、商店街に古くからあった洋装店を改装し、昨年オープンしたアートセンターTAMAYA TAMASHIMA。小雨で肌寒い日にもかかわらず、県内外からデザインやアートに興味があるという方々が集まりました。

まずは川路さんから「旅とデザイン」というテーマで話をお聞きしました。観光地でもある長崎県出身で、福岡県で暮らす川路さんは旅が好き。「好きな理由はなんだろう?」という切り口から、旅先や仕事で訪れた土地で気になったものがあればその理由を考えているそうです。それらが、企画や、グラフィックデザイン、誰とどんな風に制作するとイメージに近づけるかに至るまで、自身がつくるものにも影響してきたと言います。長崎県美術館の10周年を記念して手がけた長崎県美術館BISCUI10(ビスケット)では、「長崎ことはじめ」というキーワードから長崎に初めて伝来したビスケットに着目。地元のお菓子屋さんと一緒に試行錯誤を重ねてオリジナルの型で塩ビスケットが完成、ストーリーと共に広報展開し、今までに全国の様々なメディアにも取り上げられ定番の人気商品となっているそうです。

続いて黒田さんにバトンタッチ。造形作家としても活動される黒田さんは、グラフィックデザインだけでなく、維新派を始めとする様々な劇団の舞台芸術に関わる仕事も手がけています。予算の制約があるからこそ生まれた斬新なデザインや様々な表現手法を紹介。特に、素材や折り方では、「こんなこともできるの?」と参加者から驚きの声が上がりました。また、瀬戸内市民図書館 もみわ広場では、みんなが行きたくなる図書館の実現にむけて、デザインにとどまらない展開となった仕事への向き合いかたを紹介しました。家に帰って親子で広げて会話できるようなパンフレット、毎日使いたくなる図書カードやトートバッグといったグッズの提案をはじめ、ロゴマークの検討過程では市民向けにも公開プレゼンテーションをしたり、子ども向けにワークショップを行うなど、様々な工夫をされたとのことでした。

午後からは、川路さんの発案で、会場周辺のマップを作るワークショップ。「半径100mのコミュニティ」と題して、外から来た旅人の目線と街の住人の目線とが組み合わさったようなオリジナルマップをグループに分かれてつくりました。ロケハン中に建物の扉を開いた時の驚きを折り紙で表現したもの、昔海だったエリアを現代の地図に重ね、廃材で海や街並を表現しものなど、どのグループも斬新で独創的なマップが完成し、発表会ではそれぞれのアイデアや表現方法に感嘆の声が上がりました。

川路さんのデザインに、会場からは「かわいい!」の声

瀬戸内市民図書館 もみわ広場の仕事を紹介する黒田さん

マップ制作のためのロケハン

 

11月以降の回の参加申し込みを受付中です。ぜひご参加ください!

文化芸術交流実験室 

テキスト:木下志穂