トークセッションとワークショップがセットとなった新しい切り口のシリーズ企画

レポート「古道具類を生かす、回想法の魅力に迫る」

レポート「古道具類を生かす、回想法の魅力に迫る」

 

日 時2017年12月16日(土)11:00〜16:00 
開催地瀬戸内市民図書館もみわ広場(瀬戸内市邑久町尾張465-1)
講 師市橋芳則(北名古屋市歴史民俗資料館 / 昭和日常博物館 館長)、村上岳(瀬戸内市立図書館 主幹)、野田繭子(岡山県立博物館 学芸員)
概 要http://o-bunren.jp/post-104/

おかやま文化芸術アソシエイツの一環として11月にスタートを切った文化芸術交流実験室。トークセッションとワークショップがセットとなったシリーズ企画で、岡山県内の分野横断的な交流のプラットフォームを目指しています。
瀬戸内市民図書館もみわ広場で開催した2回目の様子をレポートでお届けします。

会場は、Library of the Year 2017 大賞に選ばれた瀬戸内市民図書館もみわ広場。地元のお年寄りも含む、様々な方が集まりました。

会場には昔懐かしい道具類が並べられ、何が始まるのだろう? という期待が高まる中、まずは講師の市橋さんより、北名古屋市における昭和の日常道具を活用した取り組みについて紹介がありました。

北名古屋市歴史民俗資料館/昭和日常博物館は、昭和30年代の日常道具コレクションが充実していることで知られている資料館。小学校などの教育機関や福祉施設と連携し、子どもたちに暮らしの移り変わりを伝えたり、回想法という手法で地域のお年寄りに実体験を語ってもらったりするなど様々な取り組みを展開しています。回想法を実践する中で、地域の方々の間で世代間交流を通じてコミュニケーションが促され、お年寄りの認知機能が改善する効果も見られているそうです。

続いて野田さんより、岡山県立博物館の民俗資料を用いた教育普及活動が紹介されました。

館内の一角に再現された昭和30年代〜40年代の生活空間で、小学生を対象に、昔の暮らしを体感してもらう授業が行われています。子どもたちは、ダイヤル式の黒電話の掛け方に戸惑ったり、火のしと現在のアイロンの形の違いに驚いたりする中で、当時と今の生活スタイルの違いを学びます。

村上さんからも、瀬戸内市民図書館における民俗資料の保存・展示活動などが紹介されました。

移動図書館事業の一環として、高齢者福祉施設への巡回の際に、民俗資料を展示して回想法を取り入れたワークショップを実施。古い道具を広げた瞬間、お年寄りは嬉々として歓声をあげ、若い図書館スタッフに道具のことを教えてあげるなど、とても生き生きした様子になるとのことでした。

午後からは、市橋さんからグループでの回想法の進め方やより有効に「懐かしさ」を引き出す手法を理論的に学び、グループに分かれて実際に回想法を体験。対話やゲームを通して、古道具の新しい楽しみ方を体感しました。

昔懐かしい道具が沢山

回想法の実践について勉強

古い道具を手にとると話が止まりません

幼かった頃に馴染みのある遊び道具や生活用品を実際に手にすることで、一気に記憶が蘇り、懐かしい気持ちでいっぱいになりました。異なる年代の参加者同士で懐かしさを共有し、経験を語り合えたことで、世代を超えた繋がりができたように思います。また、道具を色々なものに見立てることで、古いはずの道具に、新しい魅力を感じました。

本シリーズは今後も月1回のペースで開催予定。ぜひご参加ください!

文化芸術交流実験室 

テキスト:木下志穂